'."\n" ?> 南亭駄樂の「柿愁庵雑記」:教員の世界の"非正規雇用"はなぜ許されるのか:南亭駄樂
南亭駄樂の「柿愁庵雑記」

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2009年9月23日

教員の世界の"非正規雇用"はなぜ許されるのか:南亭駄樂

 私は3年ほど前、今勤めている大学が教育学部を立ち上げると同時に大学に入った。いよいよ来春初めての卒業生を出すにあたって教員採用試験にどの程度合格してくれるか、緊張しながら見守っている。
 その中で日ごろからどうしても腑に落ちないことがある。文部科学省の教員採用状況を見ると「正規採用」「臨時的任用」の欄があり、合わせて教員就職率が計算されている。この臨時的任用は「常勤講師」のことであり、正規採用教員とまったく同じように働き、クラス担任を受け持つことも多い。実は近年、多くの場合、教員採用試験に落ちても希望すれば常勤講師として採用される。そして教員の仕事をしながら次の年の教員採用試験に再びチャレンジするのだ。だが、それほど教員が必要ならばどうしてもっと正規採用しないのだろうか。


◎多すぎる「臨時的任用」=「非正規雇用」の教員数

 国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)では、2008年3月卒業者の教員就職率は56.7%、卒業者数から大学院等への進学者を除いた場合の教員就職率は64.0%となっている。いずれも就職者は「正規採用」と「臨時的任用」の合計数であり、正規採用者だけで就職率を計算すると全卒業者に対する正規教員就職率は30.9%と低くなる。すなわち、国立大学を卒業した新任教員のうち教員採用試験に合格した教員は3206人、教員採用試験に不合格だったけれども教員として働く講師は2663人でそう変わらない人数になっているのである。
 推移をみると、少子化に伴う教員採用者数の減少に伴って臨時的任用の割合が増えており、1999年からの7年間は臨時的任用が正規採用を上回っている。2006年3月卒業者からは再び正規採用が多くなったが、その割合はほぼ拮抗しており、以降似たような割合で推移している。
 高校までの公立学校の教員採用は各都道府県(政令指定都市)教育委員会が採用試験を行っており、試験の合格者は「教員候補者名簿」に登載され、その中から採用内定を行うことになっている。教員の採用数は年度末まで確定しないため、最終合格者数が教員需要数を上回った場合は名簿登載者でも採用されないことがあり、かつては年度末まで採用が決まらないことがあったことから一般企業就職に流れるということもあって、内容内定は10月ころに繰り上がってきている。そのこともあって、不確定要素が増えた分だけ安全弁としての臨時的任用者数が増えることになったのであろう。しかし、近年は団塊世代の教員退職者が増加していることから正規合格者が採用されないことはなくなっている。それ以上に教員を採用しなければならないことから常勤講師の数が増えているのだろう。2年目以降に採用試験に合格して正規採用されていく講師も多いから全体の教員に占める割合は採用試験の割合が維持されるわけではないが、それにしても臨時的任用=非正規雇用は多すぎると思う。

◎差別的雇用状態の改善を望む

 なぜ、これだけ多くの臨時的任用を続けるのだろうか。最終的な採用者数の調整ならもっと少なくていいはずだ。個人的な類推だが、教員として適性がなく、すぐに退職してしまう新任教員が問題になっていることから、しばらく講師として様子をみるという"試用期間"的な考えがあるのだろうか。あるいは、教員定数の基準の改訂や予算削減への準備ということも考えているのかもしれない。
 臨時的任用でも給与や福利厚生は正規採用と大きな差はないと聞く。しかし、臨時的任用はあくまでも"臨時"であり、身分保障はされていない。採用試験に落ちれば教員の仕事をしつつ、毎年試験を受け続けなければならないのだ。
いずれにしても、同じ学校の先生の中に「正規教員」と「臨時教員」がいるという状態は、教育現場として妥当だろうか。多くの非正規雇用の教員がいる教育現場で社会の公平性や正義、倫理、常識を教えられるだろうか。また、一般国民はそういう実態を知っているだろうか。
 常勤講師は忙しくて試験勉強が十分にできないという話も聞いた。このような差別的な雇用環境を、新政権はぜひ改善して欲しい。

2009年9月23日 17:07

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