'."\n" ?> 南亭駄樂の「柿愁庵雑記」:「国際連帯税」はマネー社会を変えうるか~通貨取引開発税と炭素税:南亭駄樂
南亭駄樂の「柿愁庵雑記」

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2009年8月18日

「国際連帯税」はマネー社会を変えうるか~通貨取引開発税と炭素税:南亭駄樂

 2008年11月、サブプライムローンが引き金になった金融不況が急速に世界に広まった頃、ラジオで寺島実郎氏が「国際連帯税」について語っているのを聞いた。世界は100年に一度の危機とあおり、税金を投入して民間企業を守り、消費をあおって景気回復をはかる政策に走ろうとしていた。そこにはマネー社会への反省はなく、エコロジーも消費拡大のためのネタにされた。そんなとき寺島氏はマネー社会への回帰はなんの解決にもならず、国際連帯税のような新しいスキームが必要ではないか、と語った。そして、日本でも「国際連帯税創設を求める議員連盟」が結成されており、夢の話ではないことを訴えていた。

◎「もうひとつの世界」をつくる税とは
 そこでフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べてみた。国際連帯税とは「気候変動や貧困、疫病などの地球規模の問題への対策資金を創出するための革新的資金メカニズム(IFM)構想のひとつ。国境を越えて展開される経済活動に対して課税し、その税収を途上国向けの開発支援などに活用することを目的としている。」とあった。その種類も炭素税、航空・海上輸送税、航空券税、多国籍企業税、武器取引税、金融取引税といろいろあるらしい。ユーロなど国を超えた地域通貨も経済危機に有効だと思うが、たとえば世界的な炭素税制度ができれば、低炭素社会に向けての削減目標に関して先進国がまずやるべきとか発展途上国がエネルギー消費を伸ばせば意味がないだのという議論を超えて一律に負担を求める意味でおもしろいと思う。船籍を税金がかからないリベリアに置くなど目先の利益で動く企業が多い中、多国籍企業が環境税があるのはいやだと税金の高い国から逃げ出すということがなくなるだろう。

◎「通貨取引開発税」をめぐる動き
 ウィキペディアによると、国際連帯税の発想は古くはトーピン税というものに起源があるそうだが、1994年のメキシコ、1997年のアジアにおける通貨危機への対応ということでクローズアップされたらしい。すなわち、金融危機の安定を目的としたわけだが、最近では開発資金を作り出す「通貨取引開発税」の議論が活発で、2006年2月には38カ国が「開発資金のための連帯税に関するリーディング・グループ」(LGS)を結成、2008年の第5回総会には日本も55カ国目の正式参加国となった。
国際連帯税を推進する団体として2004年に設立された「オルタモンド(altermonde)」(http://altermonde.jp/)は設立の趣旨として「地球上のすべての人々が人間として尊厳ある生活を営むために、現在の市場原理主義のグローバリゼーションに対抗する『もうひとつの世界』を構想し、行動する人びとの集まりをめざし...」を挙げている。そしてリーフレットでは通貨取引開発税は「貧困と格差を解消するための有力な手段」と主張している。「開発資金のため」と言われると南北格差解消の名目で環境汚染・破壊が進みそうで怖いが、同団体が中心となって今年4月に設立した「国際連帯税を推進する市民の会(アシスト)」の呼びかけには「深刻化する国際金融危機、世界の貧困、そして地球環境問題ー。ひとつの解決策として注目される『国際連帯税』を実現しよう」とあり、マネー社会への反省から南北格差の解消、地球環境問題への取り組みを謳っているので今後の動向に注目したい。

◎日本政府は「炭素税」の導入を
 炭素税についても統一的に導入する形態が望ましいが、すでに実現している国もあり、国によって内容が異なっても似た制度が世界に広がっていけば国際連帯税としての機能が果たせるということのようだ。そういう意味では日本でも早く環境税を導入して欲しい。政権を取る可能性が強い民主党が高速道路無料化を言っているが、私は道路料金を環境税化すべきだと考えており、それを契機に環境税の体系を整備して欲しい。
 湯川秀樹博士が世界連邦をめざして運動しているという話を聞いたとき、かつての物理学徒にとって湯川博士は神様のような人だけれども現実離れしている主張に思えた。しかし今、国際連帯税や非核構想、無防備地域宣言、そして地球環境問題や金融の問題などの動きを見るとき、湯川博士のようなグローバルで総合的・本質的な視点が必要なのではないか、と思い始めた。先達の先を見た理想論をもう一度おさらいしてみよう。

2009年8月18日 05:48

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