2009年9月26日
「ベーシック・インカム」をイメージする:南亭駄樂
「ベーシック・インカム」については一度言及したが、先日買った雑誌『ビッグ・イシュー』127号にも紹介されていたので再び取り上げてみたい。同誌では『ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える』(光文社新書、882円)を執筆した山森亮氏の主張が紹介されている。そこで、ベーシック・インカムを導入するとどのようなイメージになるのか考えてみた。
2009年9月23日
教員の世界の"非正規雇用"はなぜ許されるのか:南亭駄樂
私は3年ほど前、今勤めている大学が教育学部を立ち上げると同時に大学に入った。いよいよ来春初めての卒業生を出すにあたって教員採用試験にどの程度合格してくれるか、緊張しながら見守っている。
その中で日ごろからどうしても腑に落ちないことがある。文部科学省の教員採用状況を見ると「正規採用」「臨時的任用」の欄があり、合わせて教員就職率が計算されている。この臨時的任用は「常勤講師」のことであり、正規採用教員とまったく同じように働き、クラス担任を受け持つことも多い。実は近年、多くの場合、教員採用試験に落ちても希望すれば常勤講師として採用される。そして教員の仕事をしながら次の年の教員採用試験に再びチャレンジするのだ。だが、それほど教員が必要ならばどうしてもっと正規採用しないのだろうか。
2009年8月29日
「無防備地域宣言」と憲法第9条~戦争をしない、させないために~:南亭駄樂
いつの世でも戦争は最大の自然破壊であり、人間の心も体も破壊する。近年の戦争やテロには前線がないから死傷者のほとんどは民間人で、我々はたえず戦争で命を失う危険性を持っている。それに備えるために武力で対抗しようとすると軍備拡大のスパイラルに呪縛され、今度はいつ起こるかわからない戦争やテロのために日常生活が破壊されるのである。それに対して武器を持たない対抗方法がある。それが「無防備地域宣言」である。
2009年8月25日
裁判官の謝罪と袴田事件~個別事件にコメントした裁判官~:南亭駄樂
誤判に関わった裁判官は謝罪すべきか――再審無罪になった足利事件に関わった裁判官に対して毎日新聞がアンケートを行った(2009年8月21日朝刊)。質問は「菅家氏に謝罪する気持ちはあるか」「一般的に自らが審理した事件を説明すべきと思うか」「原審を破棄しなかったことを今どう思うか」など11項目(元最高裁判事には17項目)で、無期懲役判決を確定させた当時の最高裁判事5人と再審請求を退けた地裁裁判官3人の全員が「個別事件にはコメントはしない」として回答しなかったという。
2009年8月18日
「国際連帯税」はマネー社会を変えうるか~通貨取引開発税と炭素税:南亭駄樂
2008年11月、サブプライムローンが引き金になった金融不況が急速に世界に広まった頃、ラジオで寺島実郎氏が「国際連帯税」について語っているのを聞いた。世界は100年に一度の危機とあおり、税金を投入して民間企業を守り、消費をあおって景気回復をはかる政策に走ろうとしていた。そこにはマネー社会への反省はなく、エコロジーも消費拡大のためのネタにされた。そんなとき寺島氏はマネー社会への回帰はなんの解決にもならず、国際連帯税のような新しいスキームが必要ではないか、と語った。そして、日本でも「国際連帯税創設を求める議員連盟」が結成されており、夢の話ではないことを訴えていた。
2009年8月 9日
原爆忌にビキニを思う~『水爆の島 マーシャルの子どもたち』に寄せて~:南亭駄樂
8月6日ヒロシマ、8月9日ナガサキ-日本人が忘れてはならない原爆忌。原爆がもたらす悲惨さはたえず思い出されなければならない。被曝者は毎日苦しみ続けており、死者は人類が作り出した悪魔の兵器のために死んだ。その事実はいつまでも色褪せることはない。そして、ビキニ。第五福竜丸事件として日本史に残る地だが、67回ものアメリカの原水爆実験で島を破壊され、被曝し、いまだに苦しんでいるマーシャルの人たちのことにも思いをはせるべきだ。
2009年8月 6日
格差社会と「ベーシック・インカム」について考察する:南亭駄樂
大学のキャリア教育の授業で格差社会やワーキングプアを取り上げると多くの学生は「ワーキングプアはその人に原因があると思っていたが、その人に責任があるわけではないことがわかった」という感想を残す。今年の授業では「命とこころ」をテーマにし、格差そのものは取り上げなかったが、人は命が燃え続けている限り無条件に生存する権利があることを強調した。いずれにしても教室では立派なことをしゃべっているのだが、現実の社会はどうも心もとない...。
2009年7月29日
「ゆとり教育批判」は日本の教育をよくするか:南亭駄樂
「ゆとり教育」という言葉が葬り去られようとしている。だが、雑談の中で聞いた話なので責任を持てる話ではないが、文部科学省のなかでは"ゆとり教育派"と"反ゆとり教育派"の勢力が拮抗しているらしい。教育政策に限らず、揺れ戻し現象はどこでも見られることだが、本質的な課題からずれたところで教育問題が論じられ、教育政策がいじられているように思うので、少し整理しておきたい。
2009年7月28日
100年に一度の「経済危機」って? :南亭駄樂
100年に一度の経済危機-ということを言い始めたのは誰なんだろう。
麻生首相が不人気から脱却するために外交で人気を挽回しようとしたとき、
日本経済はサブプライムローンに毒されていない、バブルがはじけたときに政府の資金投入をしたことで免疫ができており傷は浅い、ということで
この危機を乗り切るのに日本の経験を提供します、と言い出したのではないか。
つまり、それだけ世界が大変なときに日本は国際貢献します、と。
国際社会をリードすることに失敗した後、このフレーズは、解散-総選挙を避ける理由に使われるようになった。「政局より政策」と。
2009年7月27日
日本の大学のあり方-OECD報告から-:南亭駄樂
2009年5月13日の読売新聞は<「日本の大学さらに改革を」OECDが報告書>という見出しで、OECD(経済協力開発機構)が日本は大学改革をさらに進めるべきだとする報告書をまとめた、と報じた。これは2006年5月における訪日調査や文部科学省の資料によるものという。
<Yomiuri Online>http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090513-OYT8T00283.htm
2009年7月26日
「言い切れない世の中」の政治と教育:南亭駄樂
衆院選が近づいている。地方にも政党のポスターが目立つようになったが、そのなかにピンクの服を着た女性の大写しのポスターがやたら目立つ。
女性党か、と思いきや、なにやら「憲法9条改正、北朝鮮のミサイルに...」などと写真に似つかわしくない"勇ましい"キャッチ。宗教団体「幸福の科学」が全国で300人弱の候補を立てるために作った政党らしい。
少数の当選者は出るかもしれないが、オーム真理教以来宗教の政党化に新しい社会的意味はない。むしろ、公明党が生き残れるかどうか、の問題の方が大きい。宗教政党にとっては危機の時代が訪れようとしているのではないだろうか。
2009年7月25日
冤罪事件と裁判員制度 ~赤堀さん傘寿の祝いに思うこと~:南亭駄樂
1954年静岡県島田市で起きた幼児誘拐殺害事件(いわゆる島田事件)で容疑を受け、死刑判決-確定から再審無罪で自由を勝ち取った赤堀正夫さんが、再びシャバに出てから20年、まもなく満80歳を迎えるというので5月にお祝いの会が開かれた。
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