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片山通夫の「取材手帖」

2009年10月20日

編集局からの手紙「アマチュア無線の話」:片山通夫

 ここのところ、多忙だったので失念していた。先日・16日、自宅に総務省から手紙が届いていた。この夏頃からもう一度やって見ようと思ったアマチュア無線の局免許が届いたのだ。以前使っていた局免許(5年間有効)が失効して新たに申請していた。この局免許とは指定された無線機を使って指定された周波数で電波を出すことのできる免許である。コールサインが指定されるので、NHKなどのラジオ放送局と同じである。その出力や設備には大きな違いがあるが。

 アマチュア無線は筆者が中学生のころからやってみたかった趣味である。ご存じない方のために少し解説をしたい。アマチュアと言うからには業務には使えない全くの趣味の世界である。自宅の敷地に余裕があれば電線を20mとか40mの長さに張ってアンテナとする。またお金に余裕がある人(めったにそんな人はいないが)は、専用タワーを10m、いやそれ以上の高さのものを立ててテレビのアンテナの親分のようなヤギアンテナを乗っけるわけだ。このアンテナは指向性があるので、ローテーターという機械で360度回して、自分が交信したいと思う方角(それが地球規模の方角でヨーロッパ向けとかアメリカ向けとか・・)に向けて、同じアマチュア無線家の相手を探して音声やCWと呼ぶモールス信号で交信するわけである。交信と言っても海外の局などが相手では、自局のコールサインと相手のコールサインの確認、それと相手の自分の信号の強さなどを交換するだけなのだが・・・。それと交信証の交換がある。これは楽しみだ。
もう一つの楽しみは、既成の機器やアンテナを買わないで自作するという楽しみである。無線機はともかく、アンテナなら簡単に作れる。出す電波の周波数に合わせた長さの電線を買ってきて屋根に登って張ればいいだけである。無論微妙な調整はあるがそれがまた楽しい。

8j1rl.jpg写真は日本の南極観測基地8J1RL局の交信証(参考)。

 たとえ北米大陸の誰かと交信できても、「それがどうした?」と言われれば答えに窮する。筆者が免許を取った30年前なら、まだ携帯電話もインターネットもカーナビもなかった。その頃は車に無線機を積んでタクシー無線並みに交通渋滞の情報を仕入れ、海外や国内でも遠方の局との交流を楽しめた。

 この夏、久々にインターネットでアマチュア無線の世界の状況を知って愕然とした。非情に衰退しているという表現がぴったりの有様だった。当然のことながら無線機を販売している店も減少しているという話だ。寂しい限りである。

 ともかく局免許も手に入れた。無線機は友人に頼んでネットオークションで安く手に入れた。屋根の上に7メガのダイポールアンテナを張るのも完了した。これは息子に拝み倒して手伝ってもらったことを告白しておかなくてはならない。これですべてが整った。後は電波を出してみるだけの状況である。

 ところが今その「電波を出す」ということを躊躇している。なぜなのかわからない。昨夜も無線機のスイッチを入れて、他の人の交信を聞いて見た。日曜日の夜なので結構にぎやかに皆さんは交信されていた。割り込む隙もあった。だけど電波は出せなかった。この原稿を書きながら種々考えているがその理由に思い当たらない。
 しかしそれでも良いと考え直した。趣味の世界である。徐々にのめり込むということだってある。時は秋。秋の夜長や冬の夜に耳を澄ませて世界からの声を聞くというだけでもいいのではないか。そして気が向けばその時電波を出して相手をコールすればいいのだ。
 秋や冬の夜の楽しみが増えた。

アマチュア無線

2009年10月20日 07:46

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