2009年5月20日
09年の肖像「島根の夫婦」:片山通夫
島根県と広島県の県境にある集落に取材に行った。そこはいわば、中国山地のど真ん中である。広島駅から車でたっぷり3時間はかかる。その集落は最年少の人でも60歳である。「もう40年も若者を見ていない」とこともなげに言う。
その集落で写真の夫婦とあった。車で差し掛かったら、田圃でいとおしそうに植えたばかりの苗を眺めていた人がいたので、声をかけた。
「朝から田植えをしていました」その人は夫婦と田植えをしたのだという。
「しまった。もっと早く来るべきだった」と悔やんでみたがもう間に合わない。
「夫婦が食べるだけの米を作っているのですよ」
筆者は厚かましくも、その方の家に上がりこんで、いろいろな話を聞くことができた。ひとしきり話を聞いた後で「写真を撮らせてください」と頼んだら快く夫婦で家の玄関に並んで立ってくれた。冗談とお礼を言いながら撮ったのがこの一枚である。
奥さんは「こんな格好で・・・」とはにかんでおられたが、こんな日常がいいのです。
筆者はなんとなく「この集落に通うことになるな」と思いながら、この夫婦に別れを告げた。いささか遠いが人間のぬくもりを感じたのだ。この集落では「花桃」を1000本植えて「桃源郷」を作るのだという。すでに400本は植えられた。
下司な筆者は「花桃じゃお金にならないでしょう」といってしまった。
2009年5月20日 12:52
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