2009年9月20日
今週の一枚「エゾシカの森」:笠井真美子
ここは「エゾシカの森」。旭川市の旭山動物園に今年4月にオープンした施設。
今、北海道では山林の近くでは当たり前に見かけるエゾシカ。
住宅地に出没することも珍しくはなくなったが、
車中からや距離を持って見かけるのとは違って、ここまで近くで見るとなんともかわいい。
橋の上から眺めたり下から見上げたり色々な角度から見ることもできる。
しかし、かわいいだけで通り過ぎてはいけない問題が現実の世界では起きている。
この施設では、隣の「オオカミの森」と併せて、人間の作ったその問題を考えるメッセージを発信している。
「オオカミの森」の一角にはエゾシカを飼育しているゾーンがある。
これはその昔エゾシカとエゾオオカミが絶妙なバランスを保ち共生していた頃、北海道に広がっていた自然の姿をイメージしている。
『明治初期、エゾシカは乱獲などで絶滅の危機にあり、狩猟禁止となった。
一方、エゾオオカミも主食であるエゾシカの減少でその数を減らしていたが、
家畜を襲うため駆除され続け、あっという間にオオカミを絶滅させてしまった。(明治38年)
その結果、天敵を失ったエゾシカはどんどん増え続けた。
現在ではエゾシカの増え過ぎによる食害で森林が崩壊しつつあり、深刻な農業被害を引き起こし、エゾシカは害獣とされ駆除されている。
ヒトがオオカミに替わってコントロールしなくてはいけなくなったのだ。
エゾシカ肉はヨーロッパでは高級食材とされ脂肪分も少ない健康食品。
道内では行政をはじめ食肉加工業者等がエゾシカの増加による農業被害の食い止めと
北海道の新たな食資源としてシカ肉の流通システムの確立に取り組んでいる。』
『』内、参考:「エゾシカの森」「オオカミの森」の案内掲示
エゾシカが悪いのではなく、生態系や自然のバランスを考えない行動をとったヒトの引き起こした結果である。
未来につなぐ人と自然との共生のあり方について一人一人考える場が創出されている。
09年8月29日撮影
2009年9月20日 06:23
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