<キューバ危機の教訓>
スポーツクラブでテレビを見ながら汗をかいていた。午前11頃だからNHKのニュースを見ようとした。ところが、再放送と思われるドキュメンタリー番組が流れていた。ケネディとフルシチョフが激突、あわや人類破滅の核戦争かというキューバ危機について、当事者の証言でまとめた歴史的教訓番組である。
スポーツクラブでテレビを見ながら汗をかいていた。午前11頃だからNHKのニュースを見ようとした。ところが、再放送と思われるドキュメンタリー番組が流れていた。ケネディとフルシチョフが激突、あわや人類破滅の核戦争かというキューバ危機について、当事者の証言でまとめた歴史的教訓番組である。
以前に見たのかもしれないが、アメリカの国防長官・マクナマラの証言が印象に残った。それは「過ちを繰り返す人間と核兵器の同居が、人類を恐怖に陥れ続ける」というものである。キューバ危機はその典型なのだが、結果は偶然が幸いして核戦争にはならなかった。核兵器を積んだB52爆撃機が、日本の米軍基地からも大挙、ソ連に飛び立つばかりだった。
筆者が注目したのは、米ソともに文民統制(シビリアン)がきわめてあやふやであった、という事実である。危機において政治家は軍人にリードされる。特にホワイトハウスがそうだった。国民が選んだ大統領が産軍複合体に牛耳れてしまう、という恐ろしい現実である。産軍体制に反対すると暗殺が待ち構えるワシントンである。歴史はその通りになった。
ホワイトハウスは、まだこのシビリアンを確立するまでに至っていない。北京はどうなのか。人類恐怖の危機の正体は、正にこれである。
オバマが核廃絶を叫ぶ理由は、彼がキューバ危機とケネディ暗殺の教訓から学んだのではなかろうか。核廃絶に向けた第二弾は何か。勝てない五輪選挙にデンマークまで出向いた鳩山夫妻は、せめてオバマ夫妻とこのことでじっくりと話し合っていれば、多少の非難は避けられたかもしれない。
<検察は本気?>
その鳩山に降りかかっている火の粉というと、資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金報告書にうその記載があった規正法違反事件である。4年間で193件、総額2100万円余という。これを東京地検特捜部が捜査を開始している、ということが明らかになった。
法務大臣の采配の行方がどうなるのか、注目したい。法務大臣は弁護士上がりの千葉である。専門家であるから、いい加減な指揮はしないだろう。
自民党の総裁・谷垣も弁護士だ。党首討論が見ものである。マスコミが察知した以上、検察も甘い対応はとれまい。どういう経過を辿ることになるのか。鳩山にとっての最初の試金石となろう。実弟・邦夫のいう「兄は黒い鳩」が本当であれば、秋の臨時国会が大荒れということも想定される。
吉田内閣では指揮権の発動があったが、21世紀の日本では無理だろう。うその中身次第では、政府も厳しい事態に追い込まれるかもしれない。検察とマスコミの動向次第といえなくもない。
<石原の手先となった鳩山?>
鳩山イメージを急転悪化させた原因の一つは、同じく「黒い石」といわれる都知事が仕掛けたIOC総会参加問題である。
奇跡でも起きない限り、東京五輪はありえなかった。これこそ「黒い石」をスポーツで蓋をするだけの無駄でしかなかった。そこへと政府専用機を使って夫人同伴で押しかけた理由を、民主党関係者でも首をひねっている。「夫人に操られている総理」は本当なのか。
いかなる政治判断があったのか。国民は知りたいと思っている。
<亀井静香の逆襲>
鳩山内閣の閣僚で一番元気がいいのが金融担当大臣の亀井静香である。
「銀行による中小企業への融資返済を猶予させる法律制定」に意欲満々である。日本政治の黒幕ともいえる銀行協会と激突している。これまで銀行と財務省は一体となって、日本の針路に重大な影響を与えてきている強力集団だ。
だが、亀井は一歩も引きさがろうとしていない。銀行に真っ向から戦いを挑んでいる。こんな政治家も珍しい。政変もさることながら、小泉―竹中組が強行した郵政民営化の黒幕が銀行そのものだったからである。
郵便局の340兆円とされる預貯金の分捕り作戦が、いうところの「官から民へ」という小泉―竹中組の郵政民営化策略であったことは、知る人ぞ知る、である。
対して亀井は、融資返済に猶予期間を与えることで中小企業を救済する、合わせて郵政退治を敢行した銀行にしっぺ返しをするというのであろう。むろん、銀行は厳しい事態に追い込まれる。それを100も承知で、法の制定を断行しようというのだ。攻守所を変えたのだ。
日本郵政のドンとなった三井住友の西川の首をはねるだけで満足することはない。
思えば中曽根バブルに踊り、破裂するや1500兆円が消し飛んでしまった。残った不良債権をかかえた銀行に血税を投入、救済したのは、ほかならぬ小泉と竹中である。気がつくと1200兆円ともいわれる借金地獄の日本である。不安の日本である。
財閥銀行は沈む太陽の日本にした責任を負って当然ではなかろうか。亀井にはこうした怒りの国民感情が支配しているのではなかろうか。
亀井は苦労人である。自民党時代と違う。庶民感情を理解する政治家に変身している。小泉や安倍、麻生とは違う。鳩山とも違う。落ちるところまで落ちると人間は強くなる。怖いものなし、が今の亀井である。
荒削りの強さがまともに作動すると、予想外の結果を生むものである。しばし、彼の動向に注目したい気分である。
2009年10月3日23時00分記
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