本澤二郎の「日本の風景」(275)

| コメント(0) | トラックバック(0)
<IOCの鳩山>
 IOC総会での東京での劣勢は、どなたでもわかる。そうなのに、何故に手を挙げたのか。お祭りが好きなのか。玩具がないと政治が出来ないのか。あまりにもいい加減すぎる。石原の五輪利権に屈した鳩山のIOC総会での演説が、日本時間10月2日夕刻にテレビが生中継した。国連総会での晴れがましさは微塵も見られなかった。直前のオバマ夫妻のそれに圧倒されていた。



 時差ボケも災いしたのかもしれないが、鳩山はひどく緊張していた。スポーツ関係者だけの集まりだというのに、である。はっきりいうと硬直していた。テレビの加減なのか青ざめてさえいた。理由の一つは後ろめたかったものかもしれない。
 都議選で彼の仲間たちは、石原五輪利権に反対して議席を手にしていた。1400億円をドブに捨てた石原銀行の二の舞になることは、目に見えている無駄の最たるものである。
道楽に借金する余裕のない日本と東京都である。
 確かに石原と鳩山は富豪層に属するが、両者の資産を全て吐き出しても五輪予算には間に合わない。奇跡でも起きて東京開催になったらどうするつもりなのか。そんなことは万一ありえないと信じての、偽りの誘致合戦を楽しんでいるものなのか。まともな政治家がやることではない。
 深刻極まりない財政に無頓着な政治屋とスポーツ選手にも困ったものである。鳩山のいう「環境を損なわずに繁栄する東京。自然と調和する東京」では全くない。排気ガスにけむる東京ではないか。灰色の都市ではないか。世界に胸を張れる東京ではない。もしかしたら二人は田園調布の住人だから、東京の全てがこのレベルと勘違いしているのではなかろうか。
 莫大な借金の山の日本である。政権交代してもこれに変化はない。
<自民党機関紙>
 日本記者クラブに立ち寄ると、自民党機関紙が積まれていた。一部拝借した。1面に「新総裁に谷垣禎一氏」と大きな赤い文字が躍っている。「日本の津々浦々を歩き回り、地域に分け入り、その声に耳を傾け、私どもの政策を見つけたい」という谷垣発言が活字になっていた。
 驚いてしまった。つい最近まで政府を担っていた政権党である。優秀な人材がいるはずである。それでいて敗北原因がわからないというのだ。わからないので全国を歩いて聞き耳を立てて、そこから政策を見つけようと総裁が語っている。
 2面を開くと、国会議員199票、党員300票で争われ、谷垣300、河野太郎144、西村康稔54という投票結果と共に、党員の投票率46・65%を紹介していた。党員の半数以上が棄権していた。筆者の分析では、党員の半数が逃亡してしまった、党員を辞めてしまったのである。これは衝撃的である。
 ちなみに北海道の党員37054人だが、投票率は45・59%、岩手県10317人同38・36%、東京都83310人同52・68%などである。
 政権を失った途端、もはや党員の肩書はマイナスと判断されたのである。それかあらぬか11面には「党員募集」の広告を載せていた。「驕る平氏」の末路とそっくりである。
 谷垣新総裁の「自民党には果たすべき使命がある」という就任あいさつも正直うつろに響くばかりである。
<中国脅威論?>
 人権派弁護士と四方山話をしていると、前日の北京の軍事パレードが話題になった。「あんな形でしか表現できないのが悲しい」と手厳しい。「ヒトラーの五輪と同じではないか」とまで酷評する。
 筆者は、現実論として「あの様子を見れば、中国に手を出す国はアメリカを含めていないだろう。むしろ、国内的な政治的効果を狙ったものではないか。一部の独立派へのけん制効果も大きい」と解説したあと、昔話を披歴させてもらった。
 過去において日本政府は歴史教科書や靖国参拝で隣国を刺激してきた。そんな日本に対して、当時日本で観光業の仕事をしていた中国人は「結局、中国が弱いから右翼に馬鹿にされる。強くなるしかない」とうめき声を挙げていたことを紹介した。
 その上で「愛国心のある中国人にとって建国60年にして、ようやく悲願が達成されたことになる。日本の右翼の暴走も止まるかもしれない。右翼は強い相手に逆らわない体質があるので」とも分析させてもらった。
 それはそれとして、世界の軍事専門家は中国脅威論を例によって流している。ただ、注意しなければならないのは、彼らは軍需産業から生活費をもらっている連中がほとんどであるということだ。死の商人の手先なのである。金もうけに脅威論が必要なのである。こんな人間にはなりたくもない。
<パスポート入手>
 友人と別れた後、有楽町駅前の交通会館に寄った。
 更新した10年モノのパスポートを受け取った。ただし、国に14000円と東京都に2000円を支払うのである。安くはない。官尊民卑をにじませる収奪の構造のようにも理解できようか。パスポートは主権者の当然の権利なのだから。特別なことではない。コストの何十倍も手にするお上の日本なのが情けないのである。
 文句ひとついわずに従う日本人は寛容民族か、それとも愚かなのか。

 そういえば近くの店がコーヒーを無料で配り出した。するとそこに客が殺到した。「ただだと殺到する日本人が嫌い」と人権派弁護士が非難した。何事もコストに多少の利益を加えるというのが、公正な社会というものであろう。
2009年10月2日21時20分記

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://j-net.obei.jp/blog/mt/mt-tb.cgi/724

コメントする

このブログ記事について

このページは、kawaseが2009年10月 3日 00:25に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「本澤二郎の「日本の風景」(274)」です。

次のブログ記事は「本澤二郎の「日本の風景」(277)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

「ジャーナリスト同盟」通信アーカイブ

ウェブページ