本澤二郎の「日本の風景」(270)

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<愛が舞う新時代>
 今朝ロシアのテレビ報道が東京に届いた。メドベージェフ大統領はG20が開催されたピッツバーグの大学を訪問、ロシア語を学ぶ学生と対話したのである。そこで「人生で一番大事なものは何か」という質問にロシアの若い大統領は臆することなく口を開いた。「それは愛です。隣人への愛情を持つことですね」と。西側のメディアは第二次大戦後、ひたすらソ連ついでロシアの脅威論を作り上げるために、「北極熊」といった怖いイメージを植え付けてきた。ソ連崩壊までの日本でもそうだった。しかし、スターリンのロシアはない。ブッシュのアメリカが存在しないように。為政者の人格も大きくまともに変化している。ワシントンや東京だけではないのだ。

 ロシア大統領は、ポーランド・チェコにミサイル防衛を強行導入するといった「死の商人」向けのブッシュの対決政策を中止したことにも言及した。「前の政権が決めたことを止めるということは、自分の身になって考えてみたけど、それは大変なことですよ」とも正直に答えた。
 これこそ具体例として、オバマの隣人愛を紹介したものである。本来は、ロシア外交の成果を誇りたいところだが、彼は違った。米ロの関係は信頼のコンクリートで固まった証拠である。オバマの隣人愛は沖縄など米軍再編にも適用されよう。ただし、それも日本外交の対応にもよる。小泉服従外交を卒業できれば、の話ではあるが。
 アメリカの衰退が根底にあるとはいえ、オバマの政治信条に負うところが多い。アメリカはいい代表を選んだことになる。
<かけ橋外交>
 オバマの投げたまともなボールに舞ったのは、日本の鳩山でもあった。彼は日本語で「友愛」(ゆうあい)を連発した。これも隣人愛である。隣人の嫌うことはしない、という精神を彼なりに訴えた。
 気に食わない相手に対して「経済制裁」という対決路線は、愛・友愛からは否定されなければならない。鳩山は「かけ橋外交」という言葉でもって国際舞台で解説・宣言したものだ。自民右翼・官僚の対決外交との決別宣言なのであろう。右翼の問題点は、自己中心主義で、それを相手に押し付けてやまない、気に食わない相手を排撃するというものである。国家主義・国粋主義という形で表面化する。戦争原因となる。古くはヒトラーや日本軍国主義、近年はブッシュ外交が典型である。
 愛が舞った今回の国連の会合では、各国の代表が思いきり本音を出し合った。リビアやイランの怒りの演説も、封じ込めて押さえつけるよりは、はるかにましである。「敵を愛せよ」なのだろう。
 昨夜、テレビで名画「ベン・ハー」を観賞したが、キリスト精神を見事に紹介している。オバマ外交を象徴していたようだった。思えばローマの時代から一歩も前進していない人類を裏付けている。憎しみからは生産的な成果は生まれない。国益丸出しの外交が21世紀に通用するわけがない。むろん、外国に軍事基地を有することは胸を張れることではない。人道的にも許されることではない。オバマは11月に被爆地と沖縄を是が非でも視察したらいい。
<リベラルは寛容>
 人間も政治もリベラルがいい。争いを話し合いで解決するには、リベラルが圧倒する社会でなければならない。リベラルであれば容易に可能なのである。
 日本国憲法はリベラルな憲法である。人間を信頼している。国際社会を信頼している。そこから生まれたものである。リベラルの本領は寛容の精神である。かつて池田勇人内閣は「寛容と忍耐」をスローガンにして政策を推進した。日中関係を改善した。戦争というものは悪魔の所業である。死の商人を跋扈させてはなるまい。
 教育は若者にリベラルを教え込むことなのだ。利己主義ではない、利他主義の人間教育である。歴史を改ざんすることなどは愚の骨頂だろう。失敗したら謝罪する。二度と繰り返さない。当たり前のことをする寛容人間・寛容国家であれば、誰にも後ろ指をさされることはない。可能なのである。
 そこで疑問なのは、民主党の改憲論である。鳩山のリベラル・友愛が本物というのであれば、改憲軍拡の自民路線を軌道修正する必要が出てくる。そこから壮大なる無駄も出てくる。福祉にも回せる。財政を健全化出来る。いいこと尽くめだ。
 国際社会は鳩山の発言から、大方の日本外交の姿を理解することができた。問題はそれを具体的な外交の場で実行するのかどうか。安全保障面で、それを実現するのか、このことを注視しているのである。
2009年9月26日9時35分記

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このページは、webmasterが2009年9月26日 15:17に書いたブログ記事です。

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