本澤二郎の「日本の風景」(222)

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<民主党をしかる>
 最近まで麻生内閣のばらまき予算に国民の批判が集中していた。その麻生自民党が、民主党公約についてばらまき批判をしている。攻守所を変えている。これ一つ見ても、自民党は政権を手放していることを内外に証明しているといっていいだろう。しかし、与党の言い分も多少なりとも理解できるものもある。


 たとえば、筆者も知らなかったのだが、米国との自由貿易協定を締結するという公約である。与党批判に軌道修正したが、これはちょっとひどい。日本財界に尻尾を振ったのか、それとも財界の金目当てなのか。これはそう簡単なことではない。
 農業保護はどの国でもやっている。食料自給を高めるためにも大事である。しかも、現在の日本農業は老人主体のもので、専業農家は少ない。自民党官僚農政の失敗でもあるのだが、ここに都会の失業者を、生き甲斐をもって生活させるために、魅力ある農政を立ち上げねばならない。それが今なのである。
 自公政権は、ここへと資本家を投入しての大量機械化栽培を進めようとしている。ただでさえ、農薬と化学肥料万能による大量栽培でミネラルの欠乏した野菜や穀物が生産されている。ここに現代病の原因がある。したがって有機農法主体による農薬抑制の健康食料生産に切り替えねばならない重大な時期である。これに成功すれば、たとえ米国の安い危険なものが輸入されても、日本人は食べないだろうからFTAはこわくない。
 まだ、時期尚早である。民主党の危うい政策の一つといえよう。
<大風呂敷は墓穴掘る>
 このほかにも、あれやこれやと大風呂敷を広げている。当然、政敵は「財源をどうする?いかさま公約ではないか」という攻撃を仕掛けてくる。これではさかさまである。挑戦者が防戦一方となる。
 どうしてこんな甘い公約を掲げてしまったものか。筆者などは月に数回の車を利用するだけだが、それでも高速料金をアメリカ並みに無料にする、ガソリン課税を安くする、というただそれだけでも満足してしまう方だ。あとは年金・福祉の崩壊にブレーキをかけてくれればいい。借金を増やし続けてきた自公政権と違うところを見せてくれれば十分だ。
 そして何よりも政財官癒着による血税の無駄にメスを入れることである。そうすることで借金体質を改めていく。健全財政のための方策に力を入れてゆく。日本丸の沈没に歯止めをかけることに尽きる。巨大な無駄である防衛予算の大幅削減である。大風呂敷公約は麻生予算の二の舞でしかない。
<自民党は自滅している>
 既に日本丸を難破させてしまった自公政権に、期待するなにものもない。せめて失政原因を公表すべき責任が与党にはある。その勇気があれば、再び政権を担当する機会が訪れるかもしれない。自己批判もしない、できない政党が二度と再び、政権に返り咲くことなどないだろう。憲政の常道に反しているからである。
 自滅した自民党と対決する野党が、今回の選挙戦の構図である。野党にとってこんな楽な戦いはないだろう。自民党の公約と実行してきた政策のかい離がどういうものかを、詳細にあげつらうことで十分だろう。
<沈没日本を分析>
 国民は二度と同じ失政をしてほしくないと考えている。日本沈没の原因を徹底的に分析、それを国民に公表することが有益である。自民党はこれを回避している。公明党も同様である。ならば野党が代わって分析するしかないだろう。
 小泉改革という名前の偽装を明らかにすることである。格差社会に追い込んだ原因を明快に示す必要がある。なにゆえに借金財政政策をとことん踏襲したのか。その狙いは何だったのか。小泉内閣だけでも国債を300兆円近く発行しているが、どうしてなのか。そのツケはどうなっているのか。庶民生活はひどくなる一方である。300兆円の恩恵を受けてはいない。どこに消えたものか。
 振り返れば、日本沈没の元凶は中曽根バブルである。これの総括さえしていない日本である。行政も財界も逃げたままだ。学界でさえも。マスコミも、である。不思議日本である。
 外交面では、大義のないアフガン・イラク戦争にのめり込んだ背景はどういうことだったのか。ブッシュとの密約がなかったのか。日本国憲法を踏みにじっての暴走ゆえに、ことさら重大である。
 また隣国が感情的に反発した靖国参拝を6回も強行した、真の狙いはなんだったのか。この傷はいまだ癒えていない。近隣外交は形式的なままだ。その損失は物心両面にわたって計り知れない。
 社民党との連立によって、小泉・安倍・麻生内閣の右翼片肺飛行の継続は消滅する。これだけでも庶民・大衆の恩恵は大きい。近隣外交は正常化することになろう。国民新党との関係では、小泉郵政改革が露呈するだろう。これだけでも政権の交代は意味のあるものである。
 経済大国は福祉大国でもあった。これは文句なしに評価できる保守政権の実績と成果である。実際は国際環境がことさら有利に働いた結果でもあるが、日本国民は不安の2文字から解放された。ODAで途上国に支援をすることも出来た。たとえ背後での腐敗を容認したとしても、である。
 だが、中曽根バブル+小泉偽装改革が全てを台無しにしてしまい、人々は不安の日々を送らされている。正に典型的な政策の失敗である。戦争もそうだが、こうしたおぞましき失政を2度と起こしてはならない。そのためにも野党は、日本沈没の分析をしなければならないのである。再び日が昇るようにするために。
2009年8月13日17時30分記

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