'."\n" ?> 今西富幸の「思考する読書」:コラム「風」 No8 「政治は糾える縄の如し」:今西富幸
今西富幸の「思考する読書」

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2009年9月12日

コラム「風」 No8 「政治は糾える縄の如し」:今西富幸

 「禍福は糾える縄の如し」という諺があるが、今回ほどこの言葉の意味を身をもって実感させてくれた選挙はなかった。

 ひとつはジャーナリストネットのメンバーの某氏が支持した社民党のA候補が当選したことだ。じつは自民党が圧勝した数年前の"郵政民営化選挙"の際、わたしは某氏に嘆願され、A候補に1票を投じたひとりである。しかし、このときわたしは某氏に「死票になるのを承知で投票しましたよ」などと、嫌味めいたことを言ったものだった。実際、A候補は落選した。死票になるのがわかりながら、1票を投じるのは積極的な棄権と同様、政治参加の実効性に欠けると思ったからである。つまり、政治選択の場において、自分の信念より人間関係を優先したというわけだ。であるからして、失礼ながら、今回もA候補が当選するとは夢にも思わなかった。だから、A候補の当選を伝える翌日の朝刊を読んだときは、しばらく開いた口がふさがらなかった次第である。
 さて、ここからはお詫びである。このA候補が属する社民党について、わたしは「編集局からの手紙」のなかで「言っては悪いけれど、社民党の時代などすっかり終わってしまっています」と書いた。まずはそのことをこの場を借りて真摯に謝罪しておきたいと思う。某さん、ごめんなさい。
 ご承知のとおり、今回の選挙ではA候補の躍進のみならず、社民党は連立政権の一翼を担うこととなり、福島みずほ党首が入閣することになった。あるいは"郵政民営化選挙"の際、当時の小泉首相に造反して党を離れた亀井静香氏の国民新党が与党側に回り、亀井代表の入閣が決まった。おそらく亀井代表自身、離党してわずか数年後、あまりにエキセントリックなおのが命運を思い描くことなど、とてもできなかったにちがいない。今回の成り行きにだれよりも驚いているのは、亀井代表なのではないか。そしていま、あのとき圧倒的な数の論理によって実現した「郵政民営化」が、今回も同じ圧倒的な数の論理によって見直されようとしている。
 まさに「政治は糾える縄の如し」である。これも2大政党時代の必然かもしれないが、わが国の政治がダイナミズムに動き出すことをわたしはいま、久しぶりに心から期待している。

2009年9月12日 00:30

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