2009年7月 4日
コラム「風」七夕:片山通夫
七夕の伝説は中国からやってきた。天帝の怒りに触れて、年に一度の逢瀬を楽しみにしている織り姫と彦星の物語は子供の時から教えられた多分に儒教的な物語である。
▲ところが天の川を挟んで二つの星は実際は14.4光年ほど離れていて、これは、光のスピードでも約14年半かかってしまう距離だという。とても年に一度の逢瀬を楽しめる距離ではない、生半可な「遠距離恋愛」ではないのだ。
▲七夕伝説の生まれた時代の天文学的知識と現代の知識の違いは、二つの距離を算出してみせる。科学の発達は時には無粋なことになる。ともあれ、七夕祭りは太陽暦になってから日本では梅雨のさなかにやってくる。仙台などでは8月に行われるようだが。
▲一方、無粋なことが天界ならぬ政界で行われている。麻生内閣の支持率が低落していて、9月10日に切れる衆議院議員の任期を前に、自民党がもめ続けているのだ。「選挙の顔」として昨年秋に選んだはずの首相を引きずり降ろそうとする勢力や、しゃにむにこのまま突っ走ろうという勢力、その間で右往左往しながら、好き勝手な持論を吐く政治家たちがうごめいている。挙句の果てに、宮崎県知事が「総裁候補」を条件に衆議院選に立候補するとかしないとかかしましいことである。
▲話は変わるが今年の夏至は6月21日だった。それから11日目が「半夏生」(はんげしょう)だ。また半夏生は7月2日から七夕の頃の5日間を言うとか。この頃になると、田植えも終えて農家もほっと一息つく頃である。半夏生には物忌みが護られていた時代もあった。地方によって違うが、天から毒気が下りてくると言って井戸に覆いをする地域や、物の毛が徘徊するといわれた地域もあったそうでこの時期に農作業をしてはいけないといわれていたとか。
そういえば、昨今、ナガタムラでは「票田亡者」や「金食い虫」が徘徊する「半夏生」となっている。妖怪に目を曇らされないよう、心して来るべき選挙に臨みたいものだ。
七夕や 真緒の地獄 湧きたぎつ 山口誓子
2009年7月 4日 06:55