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2009年10月20日
◆現代時評:「お役所仕事は旧態依然」 Ken
■■アサヒコム 2009.10.14 松沢成文(神奈川県)知事は13日の記者会見で、来年4月から県庁全体で残業をなくすことを目指す「残業ゼロ革命宣言」をした。試行的に今年度中に取り組み始める。都道府県では初の試みという。
◆◆松沢知事は「仕事と生活の調和を図るワークライフバランスに率先して取り組むためで、人件費の削減が目的ではない」と説明する。具体的にはフレックスタイムを採り入れ、上司への報告書は紙1枚でまとめるなど、効率的に仕事を進めることを目指す。戦国七雄の「韓」の王、昭侯が学者「申不害」に国を治める方法を問うた。すると申は「君たるものよく為さじ、よく知らず」と答えた。つまり法を整備しておきさえすれば、王は何もしなくても国は自然に治まると言うのだ。 1こで昭侯は申不害を宰相にし、取りあえず韓はよく治まった。 史記のなかの話で、この一派を「法家」といい、孔子らの「儒家」よりも少し前のことである。
◆◆日本の明治維新後もどうやらその「法家」を倣ったらしく、大いに法を整備し、その実務担当者としていわゆる「事務官」を量産した。 その養成機関が、いまなおわが国多くの大学に形骸を留める「法学部」であると、ボクは解している。 いったん法さえ完備すれば、それを忠実に実行するだけなら必ずしも有能な「事務官」である必要はなく、単なる「事務員」でもいいわけで、そこからいまの事務員という言葉が生まれた。 その事務員が、いま日本の官庁には大量に存し、日々取り敢えず、そつ無くお役所仕事をこなしている。
ところがこの役所の事務員たち、むかしからの決まった仕事をきまった手順でするばかりで、それが時代の変化に合わぬことなど理解しようともしないし、まして仕事の能率など大事と思ってもいない。 それでも毎日、残業手当だけたんまり受け取っている。 ボクはかねがねこのことを疑問に思ってきた。 それをいまようやく松沢神奈川県知事が具体的に指摘し、「残業ゼロ革命宣言」をしはじめたという。 民間会社ではすでに多くが実行していることだ。
親方日の丸の役所だから遅かったが、遅すぎることはない。 全国の役所がその気になって「残業ゼロ運動」を始めてほしい。それだけで、だいぶ役所の経費が節約できることは自明である。 たまに役所へ行くと、非能率きわまる昼間の仕事振りが垣間見られる。 どうやら、残業というエキストラ収入が欲しさに、昼間の仕事を時間外まで残しておいているようだ。
◆◆ボク、現役で会社を経営していたころ、こうした残業稼ぎの社員たちをしばしば見かけた。 あるとき意を決して、全社員に「明日から会社は残業代をいっさい拒否する。 が、無料サービス残業したい社員の残業は大いに歓迎する」と申し渡した。 すると驚いたことに、毎日夜の9時ごろまで残業していた社員たちの殆どが、午後5時定時にさっさと帰宅するようになった。 それでいて、会社の業務にはいっさい支障がなかった。 おそらく役所仕事も同様であろう。
◆◆もう一つ思い出がある。 先年、ボクはあるボランタリー公益団体を創った。 創立総会の景気付けに地方首長の祝電を貰うべく、役所を訪ねた。 すると、そこの総務部の課長が言う、「なるべくページ数の多い趣旨説明兼事業計画書をつくり、<祝電お願い>の文書を提出して
欲しい。 文章は長ければ長いほどよい、少なくとも1センチ以上の厚みがある書類が望ましい」。 これは聊か面倒だ、なにしろ今から始める新団体だから、書くべき内容も、いまのところあまりない。 だいいちそのような煩雑な書類は作る方も、読む役所側も労働時間に無駄がと
もなう。
ところが、こちらの新団体役員に名を連ねる予定の一人が、こうしたお役所仕事に通暁していて、「私が書きましょう」と簡単に言う。「知事自身は多忙でそのような願い書に目を通すとは思えぬし、内容を真剣に吟味する役人など居ないから中身など皆無でいい、決まりきった定型文句の冗長な文書を作るのに私は慣れている」。
ということで、然るべき願い書を作成し、提出した。 それについては、役所から何のコメントも照会も無かった。 しかし創立総会には、会場のホテル気付けで、麗々しい知事の祝電が送られてきたのはもちろんであった。
◆◆いま、松沢神奈川県知事の「上司への報告書は紙1枚でまとめよ」という通達をニュースで知って、なるほど、よほどきつく申し渡しておかなないと、役所の文書などはついつい繁文縟礼になり、労働力の不当浪費に直結するものである、と思い当たった。
役所の人員削減などは、分限令との兼ね合いもあり難しい。それに、旧自治労の幹部連中がおおぜいいまの民主党の幹部の中に潜り込んでいる実態からして、鳩山内閣も公務員の減員に難渋するだろう。 大阪の橋下知事も役人の減給にはいっときバトルを繰り返していた。 私見では、いちばんいい方法は、公務員が定期退職したあと補充をしないことだ。 そのためには先ず予備行動として、普段から公務員には不要不急の業務をさせず、つねに余裕ある勤務状態にとどめておくことである。
さもなければ、かれら役人どもは「仕事が多過ぎて困るから、補充採用してくれ」と、ついつい言いつのるものである。
2009年10月20日 12:01
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