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2009年9月 2日
本澤二郎の「日本の風景」(244)
<さびしい列島>
戦後64年も経過して、ようやく本格的な政治変動が起きた日本である。議会とマスコミが勇気と見識でもって国民のために対応すれば、沈没日本に歯止めがかかるかもしれない。ぼろぼろになった日本再生も夢ではない。しかし、現状はあまりにもさびしすぎる。若者に夢と希望がない。それを持てないのである。これの政治責任は重い。そこまで追い込んだ自公政権は、国民の審判を受けて敗退したというのに、いまだ反省の色が見えない。これも物悲しい。
<消費者庁は官僚主導>
9月1日に旗揚げした消費者庁も、スタートから揺らいでいる。担当大臣は小選挙区で落選、比例区で救われての当選という。地元での支持さえ十分ではなかった。新政権に委ねるのが筋だろう。それでいて、あわてて「消費者庁」の看板を書いて、これを置き土産にしようというのだ。むろん、官僚に突き上げられての作業に違いない。
しかも、庶民とかい離している官僚を長官に起用したのである。脱官僚依存を求めている主権者に歯向かっているのである。未だに官僚に操られる悲しき自民党政治家を演じている。
8億円もする民間のビルに居座ったのも、官僚そのものの消費者庁である。こんなものを消費者が信じられようか。これが悲しい官僚政治の正体といえよう。新政権は、この無駄に直ちに斬り込んだらいい。
<日本の独立度は東チィモール並み>
インドネシアから独立した東チィモールは早や10年になる。治安が収まったと当局は宣伝に努めている。だが、まだ外国の軍隊に頼っている。
昨夜、NHKが現地取材の様子を放送していた。記者は元大統領と会見、そこで「外国軍に頼らない独立はいつになるのか」という趣旨の質問をした。するとどうだろう、元大統領は「日本や韓国にも外国の軍隊がいるではないか」と明解に答えたものである。
要するに、日本の独立にしても東チィモールと同じレベルというのである。これに反論できる日本人がいるだろうか。隣国のロシア・北朝鮮・中国には外国軍は駐留してはいない。日本には首都圏に米軍司令部まである。「アメリカ51番目の州」という現実に不感症になっている。これに右翼・左翼も沈黙している日本である。
不思議な日本人であろうか。新政権がこれにどう立ち向かうのか。注目したい。
<まだ尾を引く強制連行>
韓国メディアによると、北朝鮮が朝鮮人強制連行について「日本政府と大企業が深く関与している」として、このほど三菱重工神戸造船所による強制連行と強制労働の実態調査報告書を公表したという。
「被害者は4000人余りに及ぶ」と朝鮮中央通信が報道、それを韓国の聯合ニュースが伝えた。
中国の老外交官の言葉を思い出した。「日本が靖国にこだわっていると、次から次へとおぞましい過去が表ざたになる」と。その通りの展開である。
北朝鮮との正常化を放置してきた戦後の日本政府・官僚政治のツケは、まだ残されたままである。これも新政権の課題なのである。武器弾薬でぼろもうけしている三菱の企業責任は、軽くないことがこの一事をもってしてもわかろう。国際社会は過去を忘却してはくれない。
<米マスコミも不甲斐ない>
米紙が鳩山新政権に、そろって懸念を示す論調を流している、と右翼のマスコミが、ここぞとばかり吹聴している。もしも、それが事実だとすると、米紙もまた日本の自由・独立を抑制し、服従を求めていることになろう。民主主義さえ理解していない。
こんなレベルのアメリカ新聞だから、ケネディ暗殺の真犯人を挙げることが出来ないのであろう。こう言いたくなるではないか。まともなメディアであれば、外国に軍隊と基地を置く不当な行為を止めさせる論陣を張るのが、まともな言論である。猛省を促したい。
それかあらぬか、9月1日に米国防総省高官はブッシュ政権下、イラクやアフガンの戦闘取材をする記者を徹底的に洗い、規制を加えていたことを認めた。記者を選別していたのである。自由な言論は名ばかりで統制していたのだ。そのための広報企業と契約を結んでいた。
情けない、ひどい話である。人権を規制する独裁国と変わりではないのか。
このレベルの政府に追随するマスコミだから、ワシントンの変革を評価しても、東京の変革は喜べないものか。
秋の物悲しさはワシントンも同様なのか。
2009年9月2日記
2009年9月 2日 22:41
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