2009年8月27日
本澤二郎の「日本の風景」(238)
<政権交代と腐敗の表面化>
権力は限りなく腐敗する。洋の東西を問わない真理である。政権の継続が長いほどそれは比例して膨らむ。これの解明は権力の走狗である捜査当局に期待できない。全く不可能かというと、そうではない。政権の交代である。新しい政権は、前政権の腐敗を暴いている時間、国民に安心をプレゼントすることが出来る。来月になると、多少薄日の差す日本列島になること請け合いである。
<まな板の鯉>
お隣の韓国では、政権の交代後の腐敗暴きがかなり派手に行われる。そこでは財閥も槍玉にあげられる。しかし、それでも政商・財閥は性懲りもなく腐敗を繰り返す。なくならないのだ。裏の権力者として甘い汁を吸うことに躍起になる。さればこそ政権の交代は日常茶飯事でなければ、国民が哀れであろう。
ワシントンでも「前政権の腐敗に手をつけない」と公約していたオバマ政権が、人権団体の圧力に屈して、結局のところ腐敗暴きに動き出した。8月25日にワシントンから届いた情報である。日本でも民主党中心の連立政権に参画する国民新党の綿貫党首は「小泉・郵政改革の化けの皮を剥いでやる」と演説している。ブッシュ政権や小泉・安倍政権の取り巻き連は、さしずめまな板の鯉になるのかもしれない。国民もそれを期待している。
国民の頂点に君臨して、好き放題のことをしていた面々と取り巻き連は、ハラハラドキドキの時間を過ごしているのであろう。これこそが民主政治の長所なのである。
<CIAの拷問公開>
9・11後のCIAの暴走は、アメリカ人でも眉をひそめている。容疑者にされた関係者は、それこそ前世紀の暴君のようなやり口でひどい拷問・虐待を受けた。水攻め・電気ドリルなど非人道的な拷問が、最も民主的、かつ人権のアメリカで繰り広げられてきたのである。世界で最も野蛮なアメリカを印象付けてしまった。これの国家的損失は計り知れないものがあろう。
この戦争犯罪に日本も加担してきている。「知らなかった」ではすむまい。ブッシュと小泉の間で何があったのか。日本国民は知りたがっている。このことはアフガンへのさらなる介入を求めてくるはずのオバマと立ち向かう「鳩山新政権」にも、厳しい判断が待ち構えている。
CIAの秘密報告書は4月に公開されたが、肝心の場面は黒く塗られていた。今回、新たにそれが公開、全世界に明かされることになるという。司法省が「法の下の平等」を貫くというのである。
文句なしの違法行為は明白な犯罪である。当然、処罰をしなければならなくなる。「そうする」というのが、ワシントン情報である。人権団体は安堵しているだろうが、ブッシュの取り巻き連は、当局の捜査にこれから翻弄されることになろう。
<鳩山新政権の対応>
過去4年間の腐敗の最たるものは何か。
一つには金融財閥へのテコ入れがある。小泉―竹中組によって、血税が投入されて救済されたのだが、双方にどんなやりとり、思惑が存在したものか。腐敗の内情がわかるのかどうか。金融財閥は背後で日本丸を操作している一握りの勢力である。「メスを入れることはできない」とみられているが、ただし、これには郵政民営化問題もからむ。
国民新党の郵政民営化に対する真相解明は、異常なほど強い。当然、金融財閥との闇取引がどのようなものであったものか、さらにワシントンとの密約がどういう内容だったのか。三井住友だけか、それとも金融財閥そのものが深く関与したものか。筆者は後者と思うのだが、この重大事件は、関係者の証人喚問だけでも相当の波紋を内外に与えることになろう。
派遣社員化など財界主導の小泉―竹中組の市場万能・弱肉強食政策は、日本の誇りでもあった中流意識社会を崩壊させ、格差を教育分野まで含めて社会の隅々まで蔓延させてしまった。財界と政府の間に何があったのか。これにワシントンは介在したものか。
拉致問題は、圧力一辺倒で対話による解決を封じてきた。そして、これに被害者家族を資金面で動員、マスコミを踊らせてきたのだが、これも関係者や専門家に疑いをもたれている。一体、何があったのか。防衛省幹部が筆者に証言してくれたように、ミサイル防衛システム導入との関係も興味がある。一連の戦争法制や改憲への体制づくりとの関連も。国家主義の右翼片肺飛行の内実が明らかになるのかどうか。
核の持ち込みに関する密約について民主党は解明する構えである。「パンドラの箱」が開くことを人々は重大関心を持っている。
政権発足後、半年の勝負とみたい。「鳩山新政権」の浮沈ぶりを占う材料となろう。
2009年8月25日9時30分記
2009年8月27日 09:56
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