2009年8月27日
本澤二郎の「日本の風景」(236)
<おかしな選挙制度>
アフガンのおかしな選挙の開票は続けられている。人々はその結果を、有無を言わせずに容認しなければならないのだろう。悲しい現実である。銃に支配された社会に安定がもたらされることはない。しからば8月30日の日本はどうか。「変革」が勝利するはずだが、他方で人々は4年前と同じような嫌な気分にさせられるだろう。落選者が当選するという、この世の不思議な事態を見せつけられるからだ。どんな手品師でもできない芸当が、国政の場で現出するのである。
<定員300人で十分>
現在の衆院議員の定数は480、このうち小選挙区300、比例180である。誰が考えたものか、一人の候補者が双方の選挙区に出馬できるという驚くべき仕掛けをしている。
この結果、小選挙区で落選した人物が、比例で当選してしまうという偽装議員が誕生する。
どうみてもおかしい選挙制度である。第一、落選者の当選者という矛盾する「国民の代表」を国民は理解できないだろう。即刻廃止すべきだろう。
翻ってみて多くの国民は、国民の代表を信頼しているだろうか。NOである。人格・識見のある人物がいかにも少ない。不正・腐敗の代表のようにも映っている。まぎれもない実感だろうが、それでは身も蓋もないものだから、赤じゅうたんを敷いてその上を歩かせて、あまつさえ豪華な宿舎を提供して格好をつけさせている。官僚に馬鹿にされて当然といっていい。
180の定員は無駄である。民主党は80減らすといっているが、180全てをなくしたらいい。国費の無駄が少なくなる。国民の願いだ。社民党や共産党も反対すべきではない。300でも多いくらいだ。少ない方が国民の監視は行き届くだろう。480人もいると、どこで何をしているのか、真面目に国政を担当しているのか、マスコミでさえも掌握できない。180人分の税金は、莫大な借金返済に回せばいい。
当然、参院議員も定数を100にする。これで十分である。いてもいなくてもいい国民の代表など不要なのだから。このことで世論調査をしてみたいものである。恐らく9割の国民は賛成するだろう。議員報酬も半減すれば、まともな見識と憂国の人材が集まるかもしれない。一石二鳥であろう。しかも政治不信が解消する。これの効果が絶大である。
これにまともに反論できる政党があるだろうか。ことほど政治不信は深刻なのである。
<役人半減・給与半減で借金解消、景気回復も>
国民の代表を半減すると、役人も半減することへとつながるだろう。仕事をしない税金泥棒という認識が、国民の偽らざる気持ちである。人員だけではない。給与も半減にすればいい。
それでも仕事をしたいという役人なら、日本再生も可能となろう。ボーナスのないサラリーマン、倒産して自殺者を出している家族の苦悩を理解する公務員・公僕の誕生を期待できるからである。民主党は役人の給与2割削減を公約しているが、全然まともとはいえない。
国と地方の借金は1000兆円である。これの返済を考えない政府は、自公政権と大同小異である。民主党の岡田幹事長は日本の財政に詳しいはずだ。親類の村上誠一郎は自民党きっての財政通である。彼から内情を聞いて知っている。政党は違うが、村上を財政顧問か財務大臣にしてはどうか。
こんな手もある。役人の給与半減は、質のいい公僕の誕生という成果だけではない。浮いた資金で、仕事のない若者を大量採用、福祉分野で働かせるのである。失業問題を解消できよう。日本の将来はそれだけで明るくなる。借金を返済する日本にすると、国際的信用がつく。円が安定する。つまりは景気に弾みをつけることが出来る。敗戦後の復興期ほどではないが、とことん汗をかく者に夢と希望を与えることが出来るだろう。
役人のお手盛り高額給与の震源地は、官僚国家のなせる技でもあるのだが、それは人事院である。彼らの説明によると、事実かどうか不明だが、1万1100事業所・46万人の平均給与からはじき出して、役人の給与を決めているとほざいている。この調査は事実なのかどうか。また、この中に倒産寸前、ボーナスもない、給与削減企業がどれくらい含まれているのかどうか。そうではあるまい。勝ち組企業のいいところで数字合わせをしている可能性が高い。人事院は即刻解体すべきなのだ。国民の怒りなのだ。
民間企業では、日本財政のような企業はつぶれて存続できない。倒産している。それでいて、どうして高額給与体系なのか。政治不信の根源であることを、あえて指摘しておきたい。
これに手をつければ、再び日が昇る日本になる。世界に希望を発信できるだろう。以上が本物の日本変革の中身である。
<チルドレン政治>
話を戻すと、4年前もそうだったが、選挙のたびごとに大量のチルドレンが誕生する。彼らの議員報酬だけでも、借金地獄の日本財政のもとではきつい。ましてや彼らチルドレンの教育に役人の多くが仕事を止めて彼らに時間を取られてしまう。莫大な損失である。
普通の秘書レベルになるまでの投資資金は途方もなく高くつく。成長期の日本であれば、多少はそれも許されるが、今の日本にそれは無理だ。即戦力がバッジ族の前提である。
4年前の小泉チルドレンの国家的損失を測定すればわかろう。今度は小沢チルドレンの誕生である。国民はいたたまれない気分にさせられる。
チルドレン政治を放置すると、日本の変革は前に進むことが出来ない。
沈む太陽を止めることが出来なくなる。現在ワシントンも苦戦しているが、新しい日本政府も厳しい。財源が底をついている日本である。本物の変革が求められているのだが、チルドレン政治では、それを真正面から受け止めることができないのではないだろうか。
悲しいかな民主党公約を見る限り、ほとんど絶望的といっていい。そこに自民復活の可能性が垣間見えるのだが、たとえ復活しても日本を沈没させた政党には、もはや力量不足であろう。この国は、とことん地獄を見るまで落ちるしかないのか。前述した議員・役人を徹底して改革をする勢力の誕生を待つしかないものかどうか。
<民意反映の制度改正へ>
改めて指摘する必要があろう。この国のうさんくさい選挙制度のことである。制度がおかしい分、胡散臭い人物が永田町を往来することになる。小泉チルドレンが小沢チルドレンに代わるだけのことなのだから。
この際、民意が反映しにくい現行制度を変える必要がある。民意が出来るだけ反映できる選挙制度である。中選挙区制の復活がいいのかもしれない。定数300の中選挙区制であれば、国民の合意を容易に取り付けることが出来るだろう。
民意の反映しにくい小選挙区制は少数政党に不利だけではない、小粒な政治家ばかり輩出させる。しかも激しい選挙になるため腐敗・金権選挙が横行する。政治不信の元凶ともなる。独裁政治が容易に実現する。いいことは何もない。
民意が反映しやすい選挙制度に改正する世論を、大いに盛り上げる必要がある。
2009年8月22日9時25分記
2009年8月27日 00:01
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