'."\n" ?> チョン・ヨンスンの「ぽけっとジャーナル」:「あの日、あの時」≪138≫:鄭容順
チョン・ヨンスンの「ぽけっとジャーナル」

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2009年10月12日

「あの日、あの時」≪138≫:鄭容順

■日本の朝鮮・韓国人(日韓条約締結まで)
「冷戦の進行と在日朝鮮人」

在日朝鮮人は朝鮮半島情勢にも強い関心を寄せていた。しかし、米ソの対立が深まり朝鮮の独立が遅れる中で在日朝鮮人の間でも意見が分かれていった。

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1945年12月の米・英・ソ外相会議で米・英・ソ・中による信託統治の実施が決定されると、信託統治反対を訴えた人々は新たな民族団体として在日本朝鮮居留民団(民団)を結成した。
1948年に入り国連監視下での総選挙の実施が決まると多くの在日朝鮮人は分断政府の成立につながると、この選挙に反対した。そして米ソ両軍の撤退により自主独立、統一国家の樹立を熱望した。GHQはこうした在日朝鮮人の独立の思いを共産主義的動向ととらえ、在日朝鮮人全般に対する警戒の念を強めた。
朝鮮半島には2つの政府が誕生した。このことは在日朝鮮人の朝鮮半島とのつながりと日本での生活に大きい影響を及ぼした。民団は韓国政府を支持し韓国政府に自らの権益の保障を期待した。しかし李承晩大統領はこれに深い関心を示さず、駐日代表部(後に大使館)と民団との関係も混乱した。
また朝連は北朝鮮政府を支持した。その朝連には金九が出席した。南北連席会議の決議を支持した人々も合流した。1949年に日本政府は朝連を団体等規正令(後の破壊活動防止法)に違反したとして強制的に解散させた。朝連の解散は韓国を支持する人々からも在日朝鮮人全体に対する民族的弾圧であると受け止められた。
〓在日本朝鮮人連盟(朝連)〓1945年10月~1949年9月。解放直後に各地で生まれた様々な団体が全国組織されて生まれた。戦後のあらゆる在日朝鮮人団体の原点といえるが、特にこれを継承している団体が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連:1955年5月~現在)である。
〓在日本大韓民国居留民団(民団)〓1946年10月に結成。1948年に在日本大韓民国居留民団、1994年に在日本大韓民国民団と改称し現在に至る。
~~~民族教育擁護運動~~~
GHQの在日朝鮮人に対する警戒感は民族教育をめぐって顕著にあらわれた。1948年に入りGHQの方針を受けて文部省は新しい教育法規を根拠に朝鮮学校に対して朝鮮語などの教科を正課目科目からはずさなければ学校を閉鎖すると通告した。在日朝鮮人はこれに抗議し、全国各地で民族教育擁護運動を起した。
そうした中で4月に兵庫県では知事が学校閉鎖命令を撤回した。しかしGHQはこれを無効として阪神地域に「非常事態宣言」を発令し多数の在日朝鮮人を検挙した。大阪では集った朝鮮人に日本の警官が発砲し、在日朝鮮人の高校生が死亡する事件まで起こった。こうしたGHQや日本による民族教育の弾圧に対しては朝鮮半島からも抗議の声があがった。
在日朝鮮人にとっては自分たちが築いた民族教育の場が奪われることへの抵抗だったが、アメリカはこれを朝鮮の南部で5月10日に行なわれる総選挙に反対する運動として警戒し共産主義者の起した暴動だと認識した。
多くの朝鮮学校はこれ以後、閉鎖されたり改組されたりした。「都立朝鮮人学校(1949~55)など過激的に公立の形態をとった学校もあったが、朝鮮学校の中で1955年の時点で存続できた学校は70校程度になってしまった。こうして朝鮮人としてのアイデンテイテイーを自然に育む機会が乏しくなり、差別や蔑視にさらされることを恐れて暮らす子どもが多数うまれた。

□参考著書▽歴史教科書研究会(韓国)/歴史教育研究会(日本)編▽明石書店発行『日韓歴史共通教材-日韓交流の歴史(先史から現代まで)』※

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■■定住化の進展と民族差別撤廃運動■■

≪地方参政権獲得運動と在日コリアン社会の変容≫
95年『最高裁判決』の衝撃」
指紋押捺拒否運動は国籍という民族的差異を維持したまま日本人との平等な権利を求める運動でした。そうした運動の延長戦上に生まれた地方参政権獲得運動です。
地方参政権を求める声が在日コリアンのなかで具体的な課題として取りあげられるようになったのは、80年代の後半に入ってからです。1987年に民団が出した資料には「納税の義務を果たしている者の当然の権利として地方選挙への参与を要求する」という文言が入っています。これは在日コリアンの民族組織が表明した地方参政権を要求する初めての声でした。
参政権を要求することについては当然ながら在日コリアンの社会のなかでも賛否両論がありました。しかし地方参政権獲得運動が新たな前進を示したのは、1990年9月に金正圭さんをはじめとする11人の在日コリアンが起した裁判がきっかけでした。
この裁判は公職選挙に基づく選挙人名簿に、在日コリアンの名前が登記されていないのはおかしいとして、大阪市など選挙管理委員会を提訴したものです。このとき金さんらは裁判のなかで地方自治法18条や公職選挙法9条が地方公共団体の住民の選挙権を保障した憲法93条に違反していることを訴えました。
ここで問題になっているのは地方自治法10条にある「住民」の概念です。「市町村の区域内に住む人は当該市町村およびこれを包括する都道府県の住民とする」と地方自治法には明記されています。この解釈にたてば、たとえ外国人であっても当該市町村に住所を持っている人はすべて地方公共団体の住民であるということになります。この裁判は地方公共団体における住民とは何かということの再考をうながす大きな一歩になりました。
金さんらは負けても仕方のない裁判と思っていましたが、判決は驚くべきものでした。なんと最高裁は「定住外国人に地方参政権を与えることを憲法は禁じていない」という判決を下したのです。これがきっかけとなり、地方参政権獲得運動は活発化していきました。
93年には、大阪市岸和田市議会で「定住外国人に対する地方参政権を含む人権保障に関する要望決議」が可決されました。これを手始めに民団などによる活発な要望活動が全国的に展開され定住外国人の参政権を認めるという決議や意見書が全国各地の自治体で拡大していきました。全国の2213の自治体のうち、1086の自治体が採択をしています。ほぼ半数の自治体が在日コリアンに参政権を与えることに賛成していて採択人口としてみれば75%を超えています。

―全自治体数に占める定住外国人の参政権を認める決議や意見書を採択した自治体数の割合(2005年10月4日現在)―
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        全自治体数   採択自治体数   採択(%)
都道府県       47       36   76・60
市・区       778      523   67・22
町        1118      420   37・57
村         270      107   39・63
合計       2213     1086   49・07        
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□参考著書▽民団中央本部が在日コリアンのために作成した著書、「歴史教科書『在日コリアンの歴史』から紹介□

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――筆者の胸裏――

地方参政権の項目を書いていると当時の取材現場の記憶が甦ってきた。
ここに記述している金正圭さんも取材した。1993年に大阪地裁に訴訟した。
1993年6月29日、最高判決は「選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である」とした。
これには本人はもちろん在日韓国人は驚いた。
そして民団各地方本部が各自治体に「地方参政権付与に対して要望書」を提出していく。そして自治体の議会採決がされた数字が上記の項目に記述するものだった。筆者も要望書を提出する際には何度も現場に駆けつけた。
奈良県や奈良市、桜井市そして京都市に京都府などと駆け回った。
京都府だったのか。京都市だったのか今は記憶が薄れているが議会で採決されるという情報が入って急遽、議会の現場に駆けつけ傍聴したこともあった。当時の日本の首相は小渕さんだった。
法案が通れば地方参政権付与は目の前にぶらさがっていた。
しかしメデイアは賛成・反対と盛んな議論の内容が新聞に掲載されテレビでも放映された。
反対側にまわったのは奈良県出身の国会議員、当時の国会議員は奥野誠亮衆議院議員がまず猛反対した。ここに賛同したのが高市早苗衆議院議員、そして議員になったばかりの森岡正宏衆議院議員だった。すさまじい反対の論戦が繰り広げられた。そして当時の公明党議員らは法案成立を強く望んだ。
それが土壇場でドタキャンになった。
小渕首相の訃報だった。
その後、新しい首相の就任のたびに要望書を提出しているが審議にかけることもなく廃案になっていった。小泉首相は地方参政権に対して振り向きもしなかった。郵政民営化だけを叫んだ。
しかし在日コリアンの若い世代が毎年約1万人は日本国籍を取っていく。はたして国会議員はこの実態を把握しているのだろうか。
自民党にさんざん裏切られてきた在日コリアン。今回の衆議院議員選挙は日本国籍収得者も総動員して在日コリアンの票のあり方を見せ付けた。けっして自民党を支援しなかったと思っている。
そして日本人に帰化した元在日韓国人の白勲さん。民主党参議院議員だが地道にコツコツと民主党議員に「地方参政権付与」について解説して説得、理解者の拡大に尽力してこられた。このことにも自民党議員は気がついていても気がつかいないふりをしてきた。

かつて貧しかったときの在日コリアンを国会議員はまだ想定しているのだろうか。民団が一致団結して何ができるのかと思っているのだろうか。
しかし在日コリアンの口コミ票も多くあるということも自民党は認識しなければならない。元社会党は人権・労働・女性問題などに尽力された時代もあった。しかしかつて北朝鮮の帰国運動を進め在日コリアンの経済人からの支援も受けていたが今はなし崩しになった。現在の社民党に対してどれほどの信頼があるのか。少なくとも在日コリアンは疑問符を持っている。北朝鮮の帰国運動については大きなミスを犯していることも気がついほしい。脱北者の証言を聞くとあの帰国は何だったのか日本に住んでいる者は考えさせられる。
先日10月5日、大阪地裁で開かれた高政美さんの訴訟、北朝鮮帰国運動をした朝鮮総連に対する訴訟に大阪地裁に駆けつけた日本人がいた。かつて帰国運動をしたという。そしてそれが間違いと気がついて今は高政美さんの支援者にまわっておられる。
民主党は今、自民党の政権のあり方に問題を掲げて奮闘しておられる。
在日韓国人が日本にやってきて100年、日本に植民地されたのが100年前、100年になっても在日韓国人は子々孫々まで永住権があるものの外国人登録で括られ国籍条項で括られている。今後も日本で定住していく。ここで地方参政権付与は日本が国際社会に向かってようやく扉が開くことになる。この法案が成立しなかったら日本は国際社会から様々な角度から見られるきっかけになるように思えてならない。
「選挙権が欲しければ日本国籍にすればいい」と日本人の一般人はもちろん国会議員も平気で論じている。これは日本人の心の底に隠れた差別表現であることに気がついていない。少なくとも国籍を持ったまま日本で暮らしている在日コリアンは差別用語に思えてならない。
サンケイ新聞の一般投稿欄にもそんな声をさも正論であるように掲載している。
考え方は様々にあるが50数年前に草案された憲法、当時の在日コリアン蔑視一筋の政策関係者がアメリカの指導で作った憲法であったとしても日本植民地支配下そのももの気質が残ったまま作られた憲法である。
今、時代が変わってきている。国際社会に日本も多く関わることになってきている。外国人政策に対しては何らかの形で見直す必要もあると考えている。

全国の民団が挙げての地方参政権獲得運動。水面下で運動が行われている。
この運動の功績は歴史の1ページに残るものにしてもらいたい。そして日本はそれが成立することによって東アジア圏の国々との友好関係は着実に近づいていくことになる。これができなかったら日本の国がエゴ丸出しの印象になりかねない。軍事国家だった戦前の日本人意識、経済は豊かになっても日本人気質は日本が朝鮮半島を統治した気質と何も変わっていない。
ここに記述したことは筆者の個人的見解です。
民団関係者はさらにレベルの高い認識のもとで活動している。
こんなこともふまえて「地方参政権付与」の国会成立を願い今後の行方を静かに見守っている。

そして日本植民地支配の歴史を何も知らない高市早苗衆議院議員ら自民党議員の多くは外国人の地方参政権付与に対して反対論を唱えた。日本社会で功績を残して大臣になったとしても在日韓国人の間では醒めた目でこの人の活動を見ている。
今回の衆議院議員選挙でも奈良県以外の在日韓国人が高市早苗衆議院議員に対して「今回は落選する」と予想していた。地区では落選、なんとか比例区で当選した。今、民主党が長い時間がかかるにしても外国人の地方参政権付与の法案成立に向けて努力をしておられる。この光景に10数年前に「何が何でも反対」の言葉を発していた高市早苗衆議院議員はどんな気持ちで現在の有様を見ているのだろうか。
メデイア関係者も在日コリアンがなぜ日本に渡ってきたのか。日本の歴史が作った在日コリアンの歴史背景を勉強して正しい在日コリアンの歴史を伝えてもらいたい。
【写真説明】日本国籍収得者は毎年増えていても国籍を持って生きている子どもたちが多くいます。日本人と国際結婚した子どもたちも多く両親の民族文化を受け継ぐためにも韓国語や文化を学び日本のカリキュラムで勉強しています。
この子たちの国際性はやがて日本を担っていきます。韓国系民族学校・金剛学園の文化祭での1コマ、小学生全員が勢ぞろいしての合唱。子どもたちのキラキラした瞳と元気な歌声そして民族衣装が圧巻です。写真は2008度の小学校文化祭です。今年は10月24日(土)に金剛学園体育館で開催されます。

2009年10月12日 00:27

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