'."\n" ?> チョン・ヨンスンの「ぽけっとジャーナル」:〓雑記帳〓〈45〉:鄭容順
チョン・ヨンスンの「ぽけっとジャーナル」

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2009年9月24日

〓雑記帳〓〈45〉:鄭容順

―朴尚任さんの半世紀(2)―

9月12日、午前10時40分頃、近鉄桜井駅に降りてタクシー乗り場に向かおうとした。桜井駅の北出口に出ると前にはバス乗り場がありタクシー乗り場がある。

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朴尚任さんには11時に自宅に行くから「家で待っていて下さい」と夜間学級の教員に伝言してあったものの律儀な朴さん。ふっと気になって駅から出た横をみると案の定、朴さんが座っていた。
もう驚いた。痛んだ足をかばうために杖をついて歩いている朴さんに筆者は胸が痛んだ。筆者は「足が痛いので私が家に行くと先生に言ってあったのに、来て頂いて気ずつない」と話した。
朴さんは律儀な性格、きちんと筆者の約束を守ってくれた。
「11時に待ち合わせていると約束したから」と言う。
本当にびっくりした。
筆者は「タクシーに乗って自宅に行きましょう」と言うが朴さんは「どこかで昼食を食べて私の家にいきましょう」というので筆者は「朝、早くて店がまだ開いていなかったので奈良駅の近くに開いていた柿の葉寿司の店で巻寿司を買ってきたから家で食べましょう」と言った。
それでも朴さんはたまに外食をしてもいいと思っていると思って「それではどこかで外食していきましょうか」と言ったら朴さんの次ぎの言葉に1世が生きた人生を垣間みることになった。
「そんなせっかく買ってきたものだから家にいきましょう」という。
筆者は昼食の時間に食べられない現場を何度も体験しているので1食をはずしてもなんてことはなかったが人の家に11時に訪問するので昼時がかかると朴さんに迷惑をかけることになると考えて巻寿司を買ってきた。
それで筆者は朴さんに「タクシー代は仕事の経費で落ちますから自宅までタクシーを乗りましょう」というが「歩こう」という。歩き慣れている道を歩くのがいいのだろうか。
筆者は一緒に歩くことにした。また歩いて道が覚えられると思って歩いた。
1世が生きた人生、決して無駄なお金を使わない。また筆者が1世から学ぶことになった。
歩いて約20分もすると大通りに出た。大通りに出てくると幸玉会館が見えて近鉄大阪線のガード下の近くに出てきた。
大通りを渡るともう目の前に朴さんが暮らしている家があった。
桜井市戒重、ここは多くの在日コリアンが住んでいた。そして奈良県の地場産業の1つ、桧縄の生産地で桧縄の縄綯いを生業にして在日コリアンの多くは生活構築をしてきた。奈良県の地場産業と言っても労働は苛酷で環境の悪いところでの仕事場だった。
そしてここから多くの在日コリアンが北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に帰国していった。在日コリアンの日本植民地支配から解放されたものの路頭に迷った在日コリアンも多く仕事もなく生活困窮者も多く北朝鮮に帰国していた同胞たちの歴史が詰まった町に朴さんはここで1人暮らしていた。
子ども6人、皆、結婚させて自立していた。朴さんは今、ここで1人暮らしている。
今は平穏な生活、天理市立北中学校夜間学級で学ぶことを生きがいにしなから暮らしているが90歳になる朴さんの人生は苦労の連続だった。
1919年、日本植民地時代に韓国慶尚北道大邱市の近くに生まれ幼少時、大邱市に引っ越ししてきた。長女で妹や弟の子守をして小学校が家の近くにありながら学校に行くことができなかった。
当時、女子が学校に行くのはごくわずかだった。
親たちは「女の子が学校に言って何する。文字を覚えると生意気になって結婚していって姑の悪口を手紙に書いて実家によこすことになりろくなことはない」と言って文字を覚えることに反対して学校に行かせなかった。
しかし文字を覚えたくて学校の塀にもたれて石で地面に周りの人が書いているハングルを見よう見真似で覚えて書いていた。
21歳で4歳年上のハンゴンさんと結婚した。親が決めた人と結婚した。結婚してすぐに日本に来た。正月に日本にやってきた。寒かったことを覚えている。
日本で最初に来て住んだところが京都府相楽郡上狛町棚倉村だったという。
ここから朴さんの渡日史が始まる。
次回ら渡日史を記述していきます。
【写真説明】2007年2月17日、日曜日、奈良県橿原市にある万葉ホールで「夜間中学校研修会」が開かれ生徒たちも各シンポに参加した。筆者は取材で現場に入った。久しぶりに会う朴さん。母親が前の年に亡くなっているので母親が亡くなったことを伝えた。そんな話をしているときに天理市立北中学校夜間学級の教員が1枚撮影して筆者に送ってくれたもの。左側が朴尚任さん。

2009年9月24日 00:18

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